信州教育史再考

教育と文化をめぐる通史の試み


伴野 敬一/著
A5判
340ページ
3,800円(本体価格)

信州教育の最大の伝統は、
政治権力からの教育権の独立。

明治・大正・昭和初期までの長野県教育の歴史をたどり、地域と人が自分たちの思想を貫き、教育と文化への内発的な欲求をどのようにして具現し、権力に抗していったのか。著者数十年にわたる教育史へのアプローチを通して、地域の近代化を浮き彫りにしつつ、混迷を続ける現代の教育にひとすじの道を示唆する著者渾身の労作!!


もくじ

第1部
天の章 長野県を見すえて
学制の施行と文明開化
1.新しい学校制度
2.新聞・雑誌・書籍の刊行
3.国民教化政策とキリスト教

教育令の改廃と民衆文化の諸相
1.教育令の改廃と初等教育
2.中等・専門教育と青年の学習活動
3.民衆文化・民衆意識の諸相

国家主義教育と社会的文化運動
1.新小学校令・教育勅語による初等教育
2.中等教育の複線化
3.社会的文化運動と登山の開始

教育の普及と教員・教育会
1.初等教育の普及
2.中等教育の展開と青年たち
3.教員・教員養成と信濃教育会

教育機会の拡大と学校網の整備
1.教育機会の底辺拡大
2.中等教育の拡充
3.高等・専門教育の創始
4.教育養成機関の拡張

民間の学問と文学・芸術運動
1.郡史誌類の編纂と歴史研究
2.自然科学研究と自然保護
3.文学・芸術運動

第2部
地の章 佐久地域を見つめて
佐久教育と大正デモクラシー
1.教育会の自主化と教員養成
2.自由教育の展開と弾圧
3.教育会の郷土研究
4.青年団の活動と発展
5.社会教育施設の拡充

昭和恐慌と佐久教育の転回
1.昭和恐慌と教育
2.教育界の郷土研究(続)
3.青年・婦人活動の転回

第3部
人の章 野沢中学校長 与良熊太郎をめぐって
与良熊太郎の登場
1.白紙答案・同盟休校事件
2.第3代校長 与良熊太郎の登場

名校長与良熊太郎とその時代
1.訓育の実際と修養録
2.おりおりの教育時論
3.敬愛された人となり
4.与良奨学会の発足
5.与良校長をめぐる名物教師たち

付録
1.小林多津衛氏への書簡
2.萬羽正朋『日本儒教論』のことなど




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