昭和の映画館主(こやぬし)奮闘記


中谷 治/著
A5判
304ページ
1,500円(本体価格)

戦後、娯楽の少ない時代に長野市で映画館経営を始めた父に従って、以来、シネコンの今日まで映画館一筋に歩んだ著者の一代記。映画産業の黄金期から衰退期を見つめてきた著者の奮闘ぶりが克明に浮き彫りにされる。
第2部には、日本の映画産業の歴史と長野市内の映画館の栄枯盛衰が懐かしい写真とともに記され、巻末には昭和期のヒット作ポスターがカラーで掲載され、映画ファン必読の書である。


もくじ
 
第1部 映画興行 奮闘記
第1章 開拓者の源流 新天地を求めて
ド素人が映画館を始めた!/劇場空間を作る/ニワトリが走り回る映画館/いけいけドンドンの巡回移動映画興行/移動映画興行の種類/吉田映画劇場 移動上映人気の秘訣
第2章 映写機かついで……巡回移動映画興行
列車移動は命がけ/節電対策?!/野外上映会/大事件発生!!
第3章 映画興行はサバイバル 昭和の映画館 舞台裏
再映館・吉田映画劇場/広告宣伝は手仕事で/テケツとモギリ/庶民を苦しめた入場税/ハラハラドキドキ綱渡り上映 〜フィルム受け渡し〜/市街地に進出〜長野映画劇場誕生〜/映画館に窓がある? 〜長野第二映画劇場誕生〜/おしくらまんじゅう、煙モクモク 何でも自由の映画館/映画館の大看板/映画館が地方文化を育て、発信地となる/「ニューシネマパラダイス」の一族/封切り映画館参入への挑戦
第4章 映画の衰退……その時なにをしたか
中心街へ進出……初めての入札/映画斜陽期になぜ新しい映画館を?/長野グランド劇場オープン/洋画豊作時代の陰に……/「大作を上映できないなら、秀作を集めよう」/ヨーロッパ映画/映画興行は儲からない?!/一本のヒットで映画興行は成り立つ?!/映画館が消えていく中で……/ボウリング場が映画館になる/配給業界に反発 「映画興行、や〜めた!」/昭和56(1981)年12月「グランドサウナ」オープン
第5章 長野グランドシネマズ 誕生秘話
アニメが映画館を変えた/映画館は、繁華街から郊外レジャーに変わる/長野にシネコンの噂が……/私たち、シネコンやりましょ。/立地決定に紆余曲折/次世代へ繋ぐ
 
第2部 映画の歴史と長野市内映画館のあゆみ
第1章 長野の映画館誕生期
映画興行の開始/芝居小屋で活動写真を上映/大正時代、長野に相次いで常設の映画館誕生
第2章 戦前・戦中の映画館事情
トーキー映画の登場と映画館の増設/戦争と映画
第3章 戦後復興を後押しした映画館
映画館は夢の殿堂/終戦直後、長野市内の映画館/長野市の映画館、続々誕生/戦争から「神武景気」へ/上映系列と昭和30年当時の市内の映画館/映画館乱立の時代
第4章 昭和の映画館あれこれ
映画館は2本立て上映が基本/満員電車のような混雑/映写はフイルムで/観客席/高い入場税に苦しむ/ナトコ映画と巡回興行/映画全盛期の代表的映画/総天然色映画の登場/シネマスコープの出現
第5章 全盛と凋落の映画界
テレビの登場と高度経済成長の時代へ/テレビ普及で凋落の映画界/長野市内でも閉館が相次ぐ/映画界衰退の中での模索/変容する映画界/日本映画界の推移/外国映画と若者/ATG映画の登場
第6章 映画製作の多様化とシネマコンプレックスの登場
角川映画の登場/テレビ局が製作に参入/自治体が製作に協力するフィルムコミッション/シネマコンプレックスの登場
第7章 デジタル時代の映画館
 
付録 懐かしの映画ポスターギャラリー




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